中韓ODAの闇 3(了)

「優遇しすぎの対中ODA」 外務省によって公表されている2015年度までの対中ODAは円借款3兆3164億8600万円、無償資金協力1575億700万円、技術協力1839憶6万円の巨額になっている。 反中感情の強い人は無償資金協力がケシカラン…

中韓ODAの闇 2

「膨大な中共へのODA」 中共が濡れ手に粟で手にした日本の在中資産は2386億円強、現在価格40兆円もの巨額なものだった。このうち、満州があった東北地方には1465億円もの在満資産があり、満州国を独立国家として育てようと、日本がいかに多額の投資を…

中韓ODAの闇 1

「打ち出の小槌にされた日本」 戦争に負けるということは悲劇である。戦った世代だけでなく、後世にも戦争賠償などで重い負担となる。戦争はよほどのことがない限りやるべきないが、やるからには負けてはならない。 わが国は大東亜戦争で負け、GHQ(連合…

著者あとがきと参考文献

著者後書き 一九九七年四月九日、厚生省は浅井ゲルマニウム研究所が薬事法に違反していると警視庁に告発した。行政指導も何もなく、いきなりの告発で、異例中の異例だった。 告発を受けた警視庁薬物対策課は翌日、浅井ゲルマニウム研究所など全国の関連施設…

永遠なる魂  第六章  あすに向かって 4

4 浅井は昭和五十七年初頭、GE-一三二の新薬承認を厚生省に申請した。あとは薬事審議会の審議を待つばかりである。 「やっとここまでこぎつけられたな」 認可申請の書類が受理された当日の夜。浅井は自宅へ柿本を招き、エリカの料理でねぎらった。寒い日…

永遠なる魂  第六章  あすに向かって 3

3 研究所を挙げて申請書類の作成に没頭している最中、大手医薬品メーカーの大山という役員が浅井を訪ねてきた。細面の大山は背が高く均整のとれた体格で、一目で高級とわかる紺のスーツ姿は切れ者という印象だった。 「有機ゲルマニウムの研究がお進みにな…

永遠なる魂  第六章  あすに向かって 2

2 悪いことばかりではなかった。新築の研究所は快適で、浅井を筆頭に柿本ら所員はGE-一三二を薬事法で認めさせるべく、ゲルマニウム研究会と並行して研究を進めていた。そして昭和五十六年に驚くべき事実がもたらされたのである。 「素晴らしい結果が出…

永遠なる魂 第六章 あすに向かって 1

1 あすはいよいよ念願の日。目が冴えてなかなか眠られない。奇しくも、GE-一三二が完成して十年目である。 外は強い風が吹き、激しく雨が降っている。天気が少しでも回復してくれればいいがと祈るような気持ちだ。 ここまで来るのにずいぶん長い時間がか…

永遠なる魂 第五章 余命2年 3

3 ドイツとはよほど深い縁があるようで、息子の博和が住んでいるのはドルトムント市で、四十年前に浅井和彦が青春を燃やし、人生の方向を決めた、忘れようのない国にある。あの当時は第二次世界大戦末期で、空襲でいつ命を失うかもしれない緊迫した状況だっ…

永遠なる魂 第五章 余命2年 2

2 浅井がさまざまな難病患者と接触している一方で、ゲルマニウム臨床研究会に参加する医師たちから、多数の臨床例が報告されていた。積極的にGE-一三二を治療に用いる医師たちは、あまりにも顕著な効き目に呆然とし、かつ深い感銘を受けたようである。 …

永遠なる魂 第五章 余命二年 1

1 ある日、船田という大手企業に勤める四十二歳の男性が、知人の紹介状を持って浅井を訪ねてきた。暗い顔色の船田は目が真っ赤に充血し、聞き取りにくい小さな声で、ため息をつくように説明した。九歳になる長女が、大学付属病院で骨髄性白血病と診断され、…

永遠なる魂 第4章 奇跡の水 3

3 小松や丹野の協力で、絶望の淵から蘇り心機一転しての再出発にあたり、浅井は有機ゲルマニウムの製品名をアサイゲルマニウムと名付けた。自分の名前をつけたかったわけではないが、有機ゲルマニウムは浅井の人生そのもので、柿本たち所員にとっても浅井と…

永遠なる魂 第4章 奇跡の水 2

2 管の好意で研究所を得た所員の意気は上がり、水に溶ける有機ゲルマニウムの合成は成功していなかったが、石炭に関する研究は順調に進んだ。そのおかげで、浅井は昭和三十四年秋に発明および新技術開発で社会に貢献した功績を認められ、政府から紫綬褒章を…

永遠なる魂 第四章 奇跡の水 1

1 浅井が最も研究に力を注いだゲルマニウムは、発見の歴史から神秘に包まれている。一八六九年、ソ連の科学者メンデレーエフは六十二種類の元素を調べ、元素の周期律表を発表した。メンデレーエフは周期律表の三十二番目を空白にし、将来発見されるべき元素…

永遠なる魂  第三章 石炭 3 

3 家族の安否を心配する必要がなくなれば研究にも身が一段と入る。その中で、浅井が最も注目したのが、ゲルマニウムである。研究所開設当時に、ある所員が石炭の中にゲルマニウムという希元素があると話していたことがあり、ずっと頭に残っていた。 浅井は…

永遠なる魂 第三章 石炭 2

2 浅井が学生に訴えた十日後、ついにその日がやってきた。日本はポツダム宣言を受諾し、正午から天皇の玉音放送が行われた。 「忍びがたきを忍び、耐えがたきを耐え 」 ラジオから流れる玉音放送を聞いても、浅井は格別な感慨は浮かんでこなかった。日本の…

永遠なる魂 第三章 石炭 1

1 ドアがガチャリと開き、将校と兵士が入ってきて銃を突きつけ、浅井に目隠しした。 殺される! 「俺は外交官だぞ!」 恐怖が沸騰し、浅井は将校に向かってドイツ語で叫んだ。 「外交官を死刑にしたら、おまえらは重大な処分を受けるぞ」 ドイツ語が通じる…

永遠なる魂 第二章 ベルリン 3

3 どれだけ気を失っていただろうか。気がつくと見知らぬベッドに横たわっていた。起き上がろうとして右の太股に激痛が走り、助けを求めるように周りに目を走らせた浅井に、白衣の看護婦が駆け寄ってきた。 「動いてはいけません。すぐ先生が来ます」 浅井は…

永遠なる魂  第二章 ベルリン 2

2 戦況は日に日にドイツに不利になり、国内で不満が渦巻き始めていた。ヒトラー政権では敗戦必至で、祖国が壊滅しかねないと危機感を抱いたドイツ陸軍の一部将校は、一九四四年七月二十日、司令部に時限爆弾を仕掛け、作戦会議中のヒトラー総統暗殺を図った…

永遠なる魂  第二章 ベルリン 1

1 浅井は明治四十一年三月、満州の大連で生まれた。父親は日露戦争で荒廃した満州を再建し、平和に治めるには、武器より教育が必要だと考え、中国人子弟の教育のため公学堂と呼ぶ学校を大連に創設した。公学堂を創るに当たって日本政府と激しいやり取りがあ…

永遠なる魂 第一章 命の水 4

4 気がつくと浅井はベッドに寝かされ、エリカが目に涙をいっぱいに溜め見つめていた。 「良かった。気がついたのね」 「ああ」 気力はまったく失せていて、浅井は小声で答えることしかできない。 「柿本さんから聞いたわ。でも、気を落とさないで」 エリカ…

永遠なる魂 第一章 命の水 3

3 浅井はある患者のことがずっと気掛かりで、研究所の運営が楽になっても心楽しまなかった。 その患者の父親と初めて会ったのは一年半ほど前だった。野村という六十歳近い老紳士で、浅井がある新聞に「ゲルマニウムにとりつかれて二十余年」と題して寄稿し…

永遠なる魂 第一章 命の水 2

2 翌日の月曜日。午前十時に東京都調布市の浅井ゲルマニウム研究所へ出勤した浅井に、待っていたように小柄で小太りの及川浩と、ほっそりした柿本紀博が走り寄ってきた。及川は山登りと蝶々の収集が趣味で、外歩きばかりしているので肌は焼けて浅黒く、普段…

永遠なる魂 波乱の人生を有機ゲルマニウムに懸けた男の物語

この作品は2002年10月にバンガード社から刊行した。だが、社長の木場康治氏が急逝、同社は解散となり、作品は絶版となった。 その後、アマゾンなどで古書が、4500円~1万6500円という、途方もないプレミアム付き金額で販売されてきた。 あまりにも行…

 番外編 維新への息吹 昭和48年の拙い論文

これまで書いてきた「日本論」の番外編である。 大学時代からの仲間から、ある小冊子が見つかったと渡された。ずいぶん昔、私が大学を卒業し、新聞記者一年生のときに書いた「論文」が載った小冊子だった。 小冊子のタイトルは「朱光」、昭和48年2月発行…

跋 葦牙のごと萌え騰がれ

私たちが思考停止に陥れさせられた最大の原因は、自虐教育と一部マスコミの偏向したヒステリックなキャンペーンにある。 自虐教育によるいびつな拝外思想の誤りは、遺伝子考古学や分子人類学の発達で正され、古典史料を忠実に解釈することで、古代史の真実も…

巻の十 特異な日本人の脳

虫の音を美しいと感じる秋となったが、そう感じるのは日本人だけらしい。雨の降る音、特に春雨や時雨れに、日本人は特別の情緒を感じる。 しとしとぴっちゃん、と歌ったのは子連れ狼の主題歌だった。幼い大五郎の孤独、寂しさ、父の拝一刀への信頼、さまざま…

巻の九 後編 忘れがたい体験の数々

ヨ 再びの雪 食を絶ってから、最も飢餓感が高まるのは二日目から三日目。空腹で胃が痛いほどで、作業をしていても力が出ない。修行ではなく、どこかの無人島に置き去りにされている状況なら、木の根を掘ってでも口に入れようと思ったに違いない。 さらに、宿…

巻の九 前編 断食斎籠行私記

私が体験した断食行の具体的な内容を述べる前に、当時の世相を記しておこう。 一九七〇年直前、日米安保条約改定反対や大学臨時措置法反対で、全国の大学は全共闘系学生によるバリケード封鎖、共産党青年組織の民青系学生による無期限ストライキで、荒れに荒…

巻の八 後編 古神道の実際の修行法

イ しづめ 直霊を発現するためには、禊祓いに加え、鎮魂行が必要である。罪穢れを禊祓っても、肝心の直霊が体から遊離していては発現できない。遊離している魂を腹に鎮魂(しづめ)て、初めて神人一体となる。 鎮魂行の一つが神籬神事、あるいは「ふる行事」と…