2023-01-23から1日間の記事一覧

永遠なる魂 第一章 命の水 3

3 浅井はある患者のことがずっと気掛かりで、研究所の運営が楽になっても心楽しまなかった。 その患者の父親と初めて会ったのは一年半ほど前だった。野村という六十歳近い老紳士で、浅井がある新聞に「ゲルマニウムにとりつかれて二十余年」と題して寄稿し…