著者後書き
一九九七年四月九日、厚生省は浅井ゲルマニウム研究所が薬事法に違反していると警視庁に告発した。行政指導も何もなく、いきなりの告発で、異例中の異例だった。
告発を受けた警視庁薬物対策課は翌日、浅井ゲルマニウム研究所など全国の関連施設を家宅捜索した。
生命の元素、GE-一三二は、薬事法という鉄壁に跳ね返され、大衆に安く渡そうとした浅井の夢はついえ去った。浅井ゲルマニウム研究所はすべての製品の回収を命令された。厚生省は浅井ゲルマニウム研究所を潰そうと意図したのである。
回収でパニックに陥った利用者が、製品を継続して手に入れられるようにと、膨大な嘆願書を浅井ゲルマニウム研究所や厚生省に送ったが、薬事法を盾に認められなかった。
一九九一年にGE-一三二の特許権は切れ、だれでも製造が可能になった。米国では、GE-一三二の効果に注目した大手の健康食品メーカーが相次いで製品化に参入した。製品の説明には浅井の著作を引用して有機ゲルマニウムの効用をうたっている。広く大衆に行き渡るようにしたいという浅井の夢が、皮肉なことに日本ではなく海外でかなえられたのである。
そして浅井ゲルマニウム研究所は、医薬品として大衆に広めるという浅井の志とは異なるが、厚生省が健康補助食品として認めたことから、GE-一三二をサプリメントに衣替えして生き残っている。薬事法違反の責任を取って研究所を辞めた柿本は、支援者を得てGE-一三二の研究を続け、新たな研究成果を織り込んで有機ゲルマニウムの製造に取り組んでいる。
生命の元素で難病に苦しむ多くの患者を救うために 。
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参考文献
ゲルマニウムと私(浅井一彦著 玄同社)
ゲルマニウム讃歌(浅井一彦著 玄同社)
ゲルマニウムとわが人生(浅井一彦著 玄同社)
ゲルマニウム療法(甲斐良一著 日貿出版社)
月刊バンガード(一九九九年五月号、九月号)
別冊バンガード(二〇〇二年四月発行)