象徴天皇研究者かつ女系天皇容認派との遣り取り①

去る6月9日(日)に母校(愛知県立名古屋西高校)の東京同窓会が開かれ、講師にN大学K准教授(母校卒業生)が招かれ、約1時間の講演が行われた。

 K准教授は象徴天皇の研究者で女系天皇容認派である。

 そこで同窓会の前に、当日、質問をしたいと幹事にメールで了解を求めたら、質問がK准教授に転送され、回答が送られてきた。

 質問は3項目あり、私の質問にK准教授の回答、さらに私の指摘と質問と読みやすいように編集した。 

 かなり長くなるので、数回に分けて掲載する。

 私を除いて各人の名前はイニシャル、ないしは記入していないので、詮索は無用にしてほしい。

 

幹事様 

 18回の千代田哲雄です。支部総会に出席させていただきます。

 講師にいくつか質問したいことがありますが、よろしいでしょうか

 

千代田哲雄さま

 

幹事 支部総会への出席登録ありがとうございました。

 

いただいたご質問を先生にお届けしたところ、以下のような回答をいただきました。

さらに、ご質問、ご意見等ありましたら、ご遠慮なくお知らせください。

 

注:本メールは内容確認のため、事務局長、千代田さんの同期で支部役員の〇〇さん、幹事の個人アドレスにcc:でお送りしておりますこと、ご承知おきください。

 

関東支部事務局 幹事(支部長)

 

<以下、先生からのご回答をコピペしております>

ご質問、ありがとうございます。

先生

総会当日に口頭で質問するつもりでしたので、幹事さんに送ったメールが舌足らずになってしまいました。せっかく回答をいただいたので、改めて補足質問をさせていただきます。

先生の「明仁天皇と戦後日本」と「天皇制と民主主義の昭和」読ませていただきました。

 

 

 

 天皇制という言葉は、日本共産党戦前に打倒すべき制度として使用しGHQが踏襲したものですが、今でも使っているのは妥当かどうか。


→これについてはたしかにそうした歴史があるのは事実です。ただし、近年では、私が専攻している歴史学では(少なくとも私を含めて40代以下の研究者は)そうしたイデオロギーを抜きにして天皇制という用語を使用しているのが一般的です。

 私自身、きわめて価値中立的な立場で使用しておりますし、私が大学に入学して歴史学を専攻した時点で、そうした意識が一般的でありました。

 近い言葉に皇室というものがあり、それを使用すべきではないかというご意見をいただくこともありますが、皇室とは天皇・皇族を構成する家のことを指します。日本国憲法で象徴と定められた天皇がいる日本の形態・ありようを指すものではなく、やはりそれは象徴天皇制ないし天皇制という言葉以外に見つかりません。

 なお、宮内庁の方と話していますと、普通に「先生、象徴天皇制の存続のためにはどうしたらよいと思う?」といった感じで、天皇制という言葉が出てきます。もちろんそれも、私が先ほど説明した形で、価値中立的に、象徴としての天皇がいる日本の形態・ありようを指して使用しています。

 

千代田再質問

1 「天皇制」という言葉について

 イデオロギー色が薄まり日常的に使われてはいますが、天皇制は新しい言葉に他ありません。制度は変えることができますが、天皇の存在は日本の慣習、伝統、文化、歴史そのものですので、変更が可能な天皇制という言葉はしっくりきません。

 あえて言えば、ポツダム宣言を受諾したときの午前会議で使われた「国体」とか、一般的に使われる「国柄」がいいのてはないかと思っています。あるいは象徴制天皇か。

 日本共産党はいまだに党是で天皇制打倒を挙げていますし、GHQの日本弱体化計画で皇室は11宮家を臣籍降下させられて皇族が減少、皇統は断絶の危機に瀕しています。

 嘘は百回言えば本当になるといいますが、天皇制という言葉からイデオロギー色が薄まったため(意図的に薄められた?)、共産党GHQの真の狙いから目をそらされているのではないでしょうか。

 それにしても、宮内庁天皇制という言葉を使わず、皇室制度と表現しているはずですが、会話とはいえ象徴天皇制と言う官僚がいるとは驚くしかありません。